(公社)生体制御学会研究部情報評価班で実施された研究の論文「睡眠中の自律神経機能に対する鍼治療の効果:クロスオーバーデザインを用いた非経穴部位刺激との比較」が原著(筆頭著者 秋田壽紀先生)として『Journal of Integrative and Complementary Medicine(統合および補完医療ジャーナル)』に掲載されました。
ポイント
・生体制御療法は師匠である黒野保三先生が研究された治療法で、私たち東洋医学研究所グループの治療基盤になっています。
・その生体制御療法を用いると、睡眠の質に関わるンレム睡眠時の副交感神経活動が高まる、つまり睡眠の質を改善していることを示唆しています。
・和文献では症例集積など報告していますが、国際誌(世界)において示せたことはとても意義のある事です。
患者さんから「鍼治療後はよく眠れる」というコメントをよく頂きますが、その裏付けの一つになったものと思われます。
また、この論文は黒野保三先生のご指導による最後の研究でもあり、名古屋市立大学名誉教授 早野順一郎先生にご多大な尽力を頂いたと論文です。
黒野保三先生、早野順一郎先生に深く感謝申し上げます。
論文要旨のご紹介
Effects of Acupuncture on Autonomic Nervous Functions during Sleep:
Comparison with Non-acupuncture Site Stimulation using a Crossover Design
睡眠中の自律神経機能に対する鍼治療の効果-クロスオーバー試験を用いた非経穴部位との比較-
鍼治療が、睡眠の質を改善することは多くの研究で示されていますが、鍼治療による睡眠中の自律神経活動の影響について、はっきりとした証拠はありません。この研究では、10名の健康成人男性に鍼治療と非経穴への鍼刺激を行い、心拍変動解析を用いて各睡眠段階の自律神経活動をクロスオーバーデザインで評価しました。
結果は、非経穴群と比べて鍼治療群は睡眠全体で心臓副交感神経活動が優位となり、特にノンレム睡眠にその傾向が強くみられることが観察されました。
この結果から、鍼治療が睡眠中、特にノンレム睡眠時の副交感神経活動を亢進させることで、睡眠の質を改善していることを示しました。健常人に対する鍼治療による各睡眠段階への自律神経活動の影響を示した初めての論文になります。
この論文のURL(https://www.liebertpub.com/doi/10.1089/jicm.2022.0526)
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